信用保証協会の保証料

信用保証協会の保証料
2009-10-27 17:00:00 | 勘定科目と仕訳
信用保証協会に支払う保証料は、金融機関からの借入に対して保証をしてもらう、つまり返済できない場合に肩代わりをしてもらうために支払う対価であります。

■利息と保証料の違い

保証料も資金調達をするためのコストですが、借入金の利息のように貸してくれる相手に直接支払うものではありません。しかし、返済できない場合には信用保証協会が肩代わり(代位弁済)をし、後に肩代わりした分の返還を求めてきます(求償権の行使)ので、その意味では信用保証協会から借りているのと変わりはありませんから保証料は利息と同じかもしれません。

以上から、保証料を利息と同様に「支払利息」で処理するのも間違いではありませんが、金額も大きいですので「保証料」、「支払手数料」など、別の勘定科目で処理することが望まれます。

■保証料は前払いをしなければなりません

保証料は全保証期間の分を前払いしなければなりませんので、保証期間が未経過である分については前払費用として処理しなければなりません。未経過分の計算は保証料総額を保証期間の月数で除して、それに未経過の月数を乗じるという方法でよいと思います。

実務上楽なのは保証料を支払ったときに全額を前払費用に計上し、年度末に期間が経過した分を前払費用から費用勘定(保証料など)に振替えるという方法です。

【計算例】

事業年度は4月から翌年3月、保証期間は60カ月、保証料総額30万円を10月1日に支払ったとします。

・保証料支払時の仕訳

≪借方≫前払費用300,000≪貸方≫現金あるいは預金300,000

・決算時

≪借方≫保証料30,000≪貸方≫前払費用30,000

30万円×6カ月(保証期間経過月数)÷60カ月(保証期間)

■保証料の返金

金融機関からの借入を当初の予定よりも早く返済した場合には、以後は信用保証協会の保証も不要になりますので、前払いしていた保証料が戻ってきます。これについてはすでに計上している保証料(費用)あるいは前払費用を取り消さなければなりません。