デジタル教科書「推進ありき」デメリット検討不十分…専門家「現場崩壊しかねない」と警鐘
3/21(金) 5:00配信
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読売新聞オンライン
[再考 デジタル教育 検証 中間報告]<下>
デジタル教科書の利用拡大を議論する中教審の作業部会(2月中旬、文科省で)=浦上太介撮影
「コンピューターは横書きだ。国語の教科書も横書きではいけないのかな」。昨年11月の中央教育審議会作業部会で一人の委員が言った。国語の教科書は、主に日本語の文章で根付いている縦書きを採用するが、デジタルの使用を拡大するには見直しも構わないと受け取れる発言だった。
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作業部会は、デジタル教科書の「推進ありき」で設置された。初会合で、まとめ役の大学教授は「(作業部会の)名称は『推進ワーキンググループ』だ。デジタル教科書を利活用する。それに合わせて制度を見直していく」と強調。昨年9月からの6回の議論で他の委員から上がる意見も、「デジタル教科書が認められなければ、世界に大きく後れをとる」といったものが目立った。
デメリットをほとんど検討することなく議論を進めた作業部会が「中間まとめ」で提起したのが、デジタルの「正式な教科書」への格上げと、紙かデジタルの「選択制」だ。公立学校で使う教科書を決める各地の教育委員会にとっては、精査や選定の負担が増す。
東海地方の市教委担当者は「紙かデジタルか、どういう学習形態がふさわしいのか。今は科学的根拠も少なく、判断しようがない」と心配する。
教科書会社も懸念する。作業部会は教科書の形態として、紙とデジタル、その両方を組み合わせたハイブリッド型も認める方針を示した。教科書を制作する立場の委員が「3種類とも出すとなると制作日程が過密になり、対応できる発行者はいないかもしれない」と訴える場面もあった。
内容の正確性や適切性を担保する教科書検定で、デジタルをどうチェックするかの議論も不十分だ。作業部会は中間まとめで「更に検討を進める」とし、先送りした。デジタル教科書は動画や音声を多数取り込むことが予想され、文部科学省内でも「どこまでを検定の対象とするかの線引きが難しい」(幹部)と見る向きは多い。
「推進ありき」の作業部会が置き去りにしているのが、デジタル教科書がもたらす学習への影響だ。
東京大の酒井邦嘉教授(言語脳科学)らが行った研究では、学習の定着には、デジタルよりも、位置関係や質感など豊富な手がかりがある紙を使った方が有効だとする結果が得られた。
紙に比べてデジタルの世界には多くの情報があふれているため、広く浅い理解にとどまったり、考える意欲を失ったりする傾向もみられるという。
酒井教授は「紙の教科書こそが脳の健全な成長の糧となる。十分な検討を経ずにデジタル教科書使用の道を広げれば、教育現場が崩壊しかねない」と警鐘を鳴らしている。
「紙媒体の方がディスプレーより理解できる」
ダイレクトメールに関する脳科学実験で確認
2013年7月23日
情報管理ソリューションのトッパン・フォームズ株式会社(以下、トッパンフォームズ)は、ダイレクトマーケティングの専門会社、株式会社ニューロ・テクニカとダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験を国際医療福祉大学の中川雅文教授(医学博士)の監修のもと実施しました。今回の実験では、近赤外分光法(NIRS:near-infrared spectroscopy)を用いて、人がある特定の活動をするときに脳のどの部位が関わっているのかを調べることができる近赤外光イメージング装置を利用し、DMに接したときの脳の反応を測定しました。個体差がない非常にシンプルな生理学的反応から、少ない被験者数(6名)でも安定した結果を導き出せるのがこの装置の特徴です。その結果、DMのメディアとしての特性や他のメディアと比べた優位性など、これまで実証されなかったことが脳の生体反応レベルで判明しました。なかでも、同じ情報であっても紙媒体(反射光)とディスプレー(透過光)では脳は全く違う反応を示し、特に脳内の情報を理解しようとする箇所(前頭前皮質)の反応は紙媒体の方が強く、ディスプレーよりも紙媒体の方が情報を理解させるのに優れていることや、DMは連続的に同じテーマで送った方が深く理解してもらえることなどが確認されました。
トッパンフォームズでは、今回の脳科学実験により判明したデータの分析をさらに進め、そこから得られた知見を今後のダイレクトマーケティング戦略策定に活用していく予定です。
なお、トッパンフォームズでは7月24日~25日に名古屋で開催するプライベートショー『IDEA PREVIEW 2013 「伝えること」「伝わること」トッパンフォームズの情報ソリューション』(会場:名古屋市中区栄3-15-33栄ガスビル)で、DMに関する脳科学への取組みを紹介するとともに、関連セミナーにて実験結果の一部をご紹介します。