くらしの基礎知識  No.0162 ◆◇◆     2008/09/30


 
9月発行のメールが届かないという連絡がありましたので、再度発行を行いました。
重複してメールが届くケースもあるかと思います。不要ならば今回のメルマガを削除
してください。

 
●はじめに

 このメールマガジンは、衣食住だけでなく、くらしに関わるさまざまな話題
について、消費生活アドバイザー・滋賀ネットワークの各分野の専門のメンバ
ーがわかりやすくお伝えしていきます。また、読者の皆様からの御質問にもお
答えしていく予定です。


●本日のメニュー

1 くらしのキーワード クレジットカードで支払いをさせる出会い系サイト

2 くらしの基礎講座 新築住宅保証の強化


● くらしのキーワード

《クレジットカードで支払いをさせる出会い系サイト》

 相変わらず、パソコンや携帯電話の出会い系サイト絡みの不当請求の相談が
絶えません。有料であるコトを知らずに、契約の意思表示がなければ支払い義
務は発生しません。今までは「登録されたから6万円を払え」といきなり画面
表示が出るパターンで、支払いは後払いで振り込ませるタイプでした(今での
このパターンが多い)。
 ところが最近クレジットカード決済ができる出会い系サイトが多発し、カー
ド決済で何十万円単位で支払いを完了してしまったという相談が全国で多発し
ています。
 通常出会い系サイト業者が直接クレジットカード会社とは契約はできません。
しかし、海外にある決済代行業者を間に入れることによって大手クレジットカ
ード会社の発行しているカードで簡単にカード払いが可能になってしまいます。
 悪質なのはサクラと思われる相手がポイント稼ぎのためにウソをついてメー
ルのやりとりをさせる例がいくつもあります。「会ってくれたら今まで君が使
ったポイント代をすべて負担してあげる」「遺産が入ったので会ってくれたら
百万円をあげる」とメールで話を持ちかけてきます。この内容を信じた被害者
は会う約束を取り付けるためポイント代を払ってメールをし続けます。一度カ
ード払いをすればポイント追加は簡単なため、何百万円ものカード支払いにな
った場合もあります。無料の占いサイトから誘導された例もあります。クレジ
ットカード決済の場合、国際カードや海外の決済代行会社が入っている場合が
多く、請求の取り下げを認めないところもあるので解決が難しい場合が多いで
す。

国民生活センター/消費者相談事例より
~占いサイトから誘導されて契約した出会い系サイトで紹介されています

●くらしの基礎講座

《新築住宅保証の強化》

2000年4月1日より、新築住宅の売主、建築請負人(業者)に対して「住
宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施行され、10年間の瑕疵
担保責任が義務付けられ、瑕疵担保責任範囲の構造耐力上主要な部分である、
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組み、土台、斜材(筋交い)床、屋根版(横架
材)や、雨水の侵入を防止する部分において瑕疵があった場合には瑕疵担保責
任により、無償で修理・補修しなければいけないことになっていました。しか
し、新築住宅を受け渡し後、10年間のうちに販売業者や施工請負業者の倒産
があった場合、文句を言いに行くところがなく、仕方なく自分で業者を探して
修理・補修をしなくてはいけなかったり、倒産まではいかないが、業者の資力
が無く修理・補修が出来なかったりなど、法律はあっても無意味であった例な
どがたくさんありました。

それで、2009年10月1日より、新築住宅の受け渡し後、品確法の瑕疵担
保責任を履行させ、強化する法律として「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保
等に関する法律」が施行されることになりました。

その内容は、構造耐力上主要な部分と雨水の防止にかかる部分の瑕疵について
10年間無償で修理補修を行なう責任」を果たすために事業者である売主・建
築請負業者(賃貸などの発注者(宅建業者以外)は義務付けではありません)
資金を保険・供託で確保することが義務付けられました。

資金の確保の<保険と供託>

事業者は保険で確保する場合には、国土交通省が指定した保険法人に支払いま
す。不具合があれば消費者は建築請負業者に修理補修の請求をし、建築請負業
者は修理補修します。建築請負業者は発生した金額を保険法人に請求をする事
になります。保険を資力の確保とした場合には、建築中にも検査があります。
指定された保険法人に支払うため、不具合が出た場合にしか使う事はできませ
ん。また、万が一、建設請負業者が倒産していた場合には消費者は、直接保険
法人に支払いを請求することができます。

供託で資力を確保する場合には、事業者は新築住宅の供給戸数に応じて算定さ
れた金額を供託(法務局)します。不具合が出た場合には、消費者は建設請負
業者に修理補修を請求し、業者自らが修理補修をします。供託金は使いません。
万が一、建設請負業者が倒産した場合には消費者は修理補修した後で、供託し
てあるところへ代金の還付請求をし、受け取る事ができます。

新築住宅を引き渡す建設請負業者や売主(宅建業者)は毎年3月と9月の末に、
国土交通大臣・都道府県知事に何戸保険をかけたか、何戸供託したかを分譲住
宅と注文住宅別々に届け出なければいけないことになっています。届出を怠る
と罰則が課され、新たな契約をする事ができません。内緒で新たな契約をする
と懲役プラス罰則となります。新築住宅を購入、建築する場合には、事業者が
どの資力確保をしているのか確認しましょう。

しかし、気になる点がひとつあります。それは、10年間のうちに不具合が出たのだが、それが瑕疵担保責任となる不具合か否かでトラブルってしまう例が多々あります。瑕疵担保責任確保のための法律ではありますが、基礎構造部分や雨水の侵入を防ぐ部分だけですので、それ以外には適用にはなりません。例えば、台風のときにベランダに溜まった雨水が溢れて下のサッシにかかり、そこから雨水が浸入したため、壁にしみがついた、などは、ベランダの防止処理の問題であったりすると難しいとされます。直接の原因は何かをまず調べることが必要です。まずは、建設請負業者に連絡し、原因を調べてもらってください。修理補修してもまだ不具合が出る場合には、建築士や他の建設業者にも見てもらうことも必要です。紛争になった場合には、都道府県等に問い合わせれば、住宅紛争処理機関もありますので、相談されるといいでしょう。


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Last-modified: 2024-04-09 (火) 10:18:35