-基本-

2.安全ブレーカーの機能

 安全ブレーカーは、通常2000W(20A)以上の電気が流れると切れる(落ちる)
仕組みになっています。

 図1では、6個の回路に分かれています。

(1) 寝室の照明器具・コンセント
(2) 和室の照明器具・コンセント
(3) キッチンの照明器具、コンセント
(4) キッチンの単独回路(電子レンジ、冷蔵庫の専用回路)
(5) 寝室エアコン回路
(6) 和室エアコン回路

 漏電遮断機は、回路全体の漏電や総電気使用容量を監視するのに対し、
安全ブレーカーは、各回路(1~6までに分けられた回路)を
それぞれ監視しています。

 では、具体的にどんな時に安全ブレーカーが切れるのか説明します。

 漏電遮断機も安全ブレーカーも、電気が定められた電気容量の範囲で
使用されていれば、ブレーカーは常にonの状態になっています。

例1)
 この家では、キッチンの横に和室があり、和室がダイニング兼居間になっています。
冬場、和室ではコタツ(800w=8A)、テレビ、パソコン(200w)が同時についていて、
ホットプレート(1200w)で鍋をつついていました。
 トータル2200w=22Aの電気使用容量がありました。
 
 安全ブレーカーは、2000w=20Aで切れる(落ちる)ので、
この場合、(2)の安全ブレーカーは落ちてしまいます(自動的に図2-2の状態)。
(2) 和室の照明器具・コンセントの回路は、電気の容量が不足している事が分かります。
例2)
 この家では、(4)キッチンの単独回路が1回路しかありません。
その回路からは、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、が接続されています。
夕飯の準備で、炊飯器でご飯を炊きながら、肉解凍の為に電子レンジを使用しました。
 炊飯器1000w、電子レンジが800w、冷蔵庫も稼動しているので、
2000w=20Aを超えてしまい、安全ブレーカーが働き、
電気が切れてしまいました。
この場合は、(4)キッチンの単独回路が、図2-2の状態になっています。
 
例1)・例2)共に、各回路に割り振られた電気の使用量が、安全ブレーカーの働く
2000w=20Aを超えてしまった事により、電気が遮断されています。

安全ブレーカー落ちた(切れた)時の対処法

 容量以上の電気を使うことによって、落ちた回路の電気が切れてしまった訳なので、
まずは、最後に使った電化製品(例1では、ホットプレート)のコンセントを抜きます。

 2000wを超えないように電気を使えば良いのですが、
例1の場合、コタツとホットプレートを同時に使えない事が分かると思います。

 現電気設備では、鍋をする時には、にコタツは使えない。
同時に使えば、安全ブレーカーが働き電気が切れてしまいます。

 この様な状況は、適切な電気設備とは言いがたいです。
和室に、1回路の電気配線の増設工事が必要です。

 
 上記のような理屈から、IHクッキングヒーターや、新規エアコン増設を考える時には
専用ブレーカーが必要になる事が分かってもらえると思います。


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Last-modified: 2024-04-09 (火) 10:20:05