2.6.4.内部統制システムの構築について

 最近の起業不祥事をみると、法令遵守違反、いわゆるコンプライアンスの欠如が問題となっている。法令遵守を徹底させるには、コンプライアンスを守るための会社内部のシステム(以下内部統制システムという)が必要である。
 
 このため、会社法では「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」を大会社に義務づけている。(会社法348条4項、362条5項、416条2項)
 したがって、大会社でない会社では、内部統制システムの構築の決定は任意である。
 
 この内部統制システムの構築の決定は、重要な業務執行の決定になるので、取締役が二人以上の会社や取締役会設置会社では、その決定を取締役に委任することはできない。
(会社法348条3項、362条4項、416条3項)
 つまり、取締役会の専権事項である。
 
 そして、下記のように規定されていた旧法務省令について、所要の整備を行ったうえで、内部統制システムの構築の決定に関する決議の概要を事業報告書に記載すべきとしている。
 
 1 監査委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項
 2 前号の使用人の執行役からの独立性の確保に関する事項
 3 執行役及び使用人が監査委員会に報告すべき事項その他の監査委員会に対する報告に関する事項
 4 執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する事項
 5 損失の危険の管理に関する規程その他の体制に関する事項
 6 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合し、かつ、効率的に行われることを確保するための体制に関するその他の事項
(参考として、改正前の商法施行規則193条)
 
▲ 新会社法の改正ポイント
▲ 
< 
> 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2024-04-09 (火) 10:17:58