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3.現物出資等の検査役調査不要範囲

3.現物出資等の検査役調査不要範囲

 会社設立後に営業に使う車やパソコンを現物出資や財産引受けしたいという人が結構多い。
 
 現物出資や財産引受けする場合、定款に記載した現物出資や財産引受けをする財産の価格が適正かどうか調査するため、裁判所の選任する検査役の調査を受けなければならない。
 ただし、取締役及び発起人が事後的に填補責任を負えるぐらいの少額な財産であれば、万一の場合、取締役や発起人に責任をとらせれば済むことなので、検査役の調査を不要としている。
 
 今回の改正によって、この検査役の調査を必要としない範囲が広がった。
 今までは、資本金の5分の1を超えず、かつ、500万円以下の財産については、検査役の調査を不要としていたが、填補責任をとらせることがで可能な額は資本金の額とは無関係であることから、資本金の5分の1を超えない額という規制を廃止して、資本金の額に関係なく500万円以下の財産については、検査役の調査を不要とした。(会社法33条10項1号)
 これにより、例えは資本金1000万円の株式会社を設立する場合は200万円を超えない額まで検査役の調査が不要であったのが、500万円を超えない額まで検査役の調査が不要になった。
 
 また、「取引所の相場のある有価証券」も検査役の調査が不要であったが、この範囲も広がり「市場価格のある有価証券」に拡大されたので、店頭登録株式なども市場価格を超えなければ検査役の調査が不要になる。(会社法33条10項2号)
 
 これにより、現物出資や財産引受けを伴う会社設立が多くなると思われる。
 
 なお、改正により発起設立の場合における設立時の取締役及び発起人(現物出資者又は財産の譲渡人を除く)の責任が無過失責任から過失責任へ軽減され、財産価格の調査について過失がないことを証明した場合には、填補責任を負わないものとされた。(会社法52条2項)
 ただし、募集設立の場合の発起人及び設立時の取締役の責任は、今までどおり無過失填補責任である。(会社法103条1項)
 
▲ 新会社法の改正ポイント
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