‥‥……━━━━━━ IP Network Skill No. 00000392 ━━━━━━……‥‥ ~ 情報処理技術者試験 (平成20年ネスペ4) ~ ‥‥……━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ このメルマガに書いている以下の広告ですが、 ----------------------------------------------------------------- このたび、改訂版を出版する運びとなりました。 しばらく前から執筆作業を行っていまして、現在 佳境を迎えております。 3月中に発売予定です。 前回の内容に加え、IPv6、無線LAN、セキュリティ など加筆しています。 また書店に並ぶ頃にお知らせしたいと思います。 [Excel VBA アクションゲーム作成入門] http://www.Amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844326864/ipnetworksk01-22 ╋━━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━━━━━━━━━━……‥‥ 〔問題1〕FDDIにおける送信権制御に関する記述として、適切なものはどれか。 1.各ノードは、他ノードが伝送媒体に送信した信号の有無を調べ、信号 【情報処理技術者試験 ~平成20年ネスペ4~】 [平成20年度秋季 午前] 問44 図は、レイヤ2スイッチによって、スパニングツリープロトコルを 用いて構成されるLANを示す。各スイッチのブリッジプライオリティ 設定値は等しく、パスコストは10Mビット/秒ポートに100、100M ビット/秒のポートに19が設定されている。PC1とPC2の通信に使用 される経路はどれか。ここで、i、j、kはそれぞれ同じ数値を示す。 (MAC アドレス) ア スイッチA-Bを使用 イ スイッチA-C-Bを使用 ウ スイッチA-BとスイッチA-C-Bのどちらか一方を固定的に使用 エ スイッチA-BとスイッチA-C-Bの両方を使用 【解答】イ 【解説】 スパニングツリープロトコル (Spanning Tree Protocol) はSTPとも略され、 IEEE802.1dで規格化されている、レイヤ2(データリンク層)において 通信ループを防ぐためのプロトコルです。 複数台のスイッチ(レイヤ2スイッチまたはスイッチングハブ)をリング状 に接続すると通信ループが発生しえます。通常のユニキャスト通信では、 MACアドレスを見てどのスイッチへフレームを送ればよいか分かるのですが、 ブロードキャスト通信を行うとすべてのポートに対してフレームを送る必要 があり、ブロードキャストストームというループが発生します。 たとえば下記ループが発生する構成例1では、ループが発生すると A->C->B->A->C->B->A... という経路で無限ループとなり、正常な通信が行えない状態になってしまい ます。 [ループが発生しない構成] +-----------+ +-----------+ [PC]-----| スイッチA |-----| スイッチB |-----[PC] +-----------+ +-----------+
[ループが発生する構成例1] 3台でループを構成している。 +-----------+ +-----------+ [PC]-----| スイッチA |-----| スイッチB |-----[PC] +-----+-----+ +-----+-----+ | | | +-----------+ | +--| スイッチC |--+ +-----------+ [ループが発生する構成例2] 2台が2本のリンクで接続されており、ここでループ発生。 +-----------+ +-----------+ | |-----| | [PC]-----| スイッチA | | スイッチB |-----[PC] | |-----| | +-----------+ +-----------+ ループを防ぐには、ループを構成するインタフェースのうちどれか1つを 「受信不能」状態にします。受信不能にすることを「ブロックする」と呼 びます。ブロックされたポートをブロッキングポートと呼びます。 スパニングツリープロトコルを使うよう設定したスイッチは、BPDU (Bridge Protocol Data Unit) というフレームをやり取りし、どのインタフェースを ブロックするか決定します。 1. 各ブリッジ(スイッチのインタフェース)はBPDUを交換し、ブリッジIDを →ブリッジIDは優先度とMACアドレスからなる情報で、一番小さい値のブリ 2. BPDU交換によりルートブリッジまでのパスコスト(仮想的な距離)を計算 3. 各スイッチのポートのうち、最もルートブリッジに近いポートをルート →ルートブリッジへのルートが複数ある場合、リンク速度に依存するコスト 4. 最もルートブリッジに近いポートは指定ポート(Designated Port、DP)と これを踏まえて、問題の図を考えてみましょう。 (MAC アドレス) 優先度(ブリッジプライオリティ)は等しいので、ルートブリッジはMACア ドレスによって決定されます。MACアドレスが一番小さいのはスイッチCです ので、スイッチCがルートブリッジになります。 したがってスイッチBのスイッチC側ポートはRP、スイッチAのスイッチC側 ポートもRPです。 次に、DPを求めます。DPは各セグメントにおいてルートブリッジに一番近い ポートです。スイッチC上の2つのポートはルートブリッジ上にあり、DPと なります。A-B間について考えると、スイッチAはルートブリッジまでコスト 100で到達します。スイッチBはコスト19で到達します。したがってスイッチ B上のポートのほうがルートブリッジに近いといえ、スイッチB上のポートが DPになります。 そのため、残ったスイッチA上のポートがNDPとなり、ブロックされます。 この結果、スイッチAの上側ポートは使えないこととなり、PC1からPC2へ 行くにはA->C->Bという経路を使ってイーサネットフレームが転送される ことになります。 問42 LANケーブルに関する説明として、適切なものはどれか。 ア LANケーブル内の対になった導線がより線となっているのは、導線に発生 イ カテゴリ5EのUTPケーブルは1000BASE-Tで利用される非シールドより対線 ウ カテゴリ6のUTPケーブルを使用する1000BASE-TXでは、1対のより線で250 エ 対線は2本の導線の電位差で情報を伝え、この対線に発生する外来ノイズ 【解答】イ 【解説】 LANケーブルとはツイストペアケーブル(より対線)のことを指しています。 より線(撚り線)というのは2本の線をひねって絡み合わせたものです。 (∞←こんなイメージ、ツイストドーナツみたいな形) こうすることでノイズの働く電磁界の向きを互い違いにして、外来ノイズ の影響を最小限にします。よりのピッチ(∞の波の間隔)をより対線ペア ごとに変えることでノイズの影響を下げることができます(したがって アは誤り)。 カテゴリというのはTIA/EIA(米国通信工業会/電子工業会)の規格で、 ツイストペアケーブルのカテゴリは1から7まで規格化されています。 数が大きいほど新しく、高速な伝送が可能なケーブルを表します。 カテゴリ5Eはカテゴリ5のEnhanced (拡張) という意味で、100Mbpsから 1Gbpsの伝送に使われます。したがって1Gbpsの伝送速度である1000BASE-T にも適用でき、イは正しいです。 ちなみに非シールドより対線とはUnshielded Twisted Pair Cableという 英語の和訳でUTPケーブルと呼ばれます。 UTPケーブルは2本の対が4組で形成されます。 ウですが、この説明は1000BASE-Tの内容です。1000BASE-TXは1000BASE-T とは異なり、2対のより線で500Mbpsのデータを上り下りで送り、1Gbpsの 全二重通信を行うものです。1000BASE-TはIEEE802.3abで規格化され、 ケーブルはカテゴリ5から使えます。1000BASE-TXはTIA/EIA-854で規格化 され、カテゴリ6のケーブルから使えます。 エですが、「対線は2本の導線の電位差で情報を伝え」は正しいですが 「外来ノイズの大きさは2本の導線の間隔に反比例する」は間違いで、 比例する、が正解です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第5刷好評発売中! 《本日の試験対策問題》 1.はCSMA (Carrier Sense Multiple Access) の特徴です。IEEE802.3 のCSMA/CDやIEEE802.11のCSMA/CAがあります。 2.は正解です。FDDI (Fiber-distributed data interface) は光ファイ バケーブルを使ったリング状のトポロジで、トークンリング方式 (IEEE802.5) を使います。トークンリング方式では問題文のようにトークンと呼ばれる 信号を受け取った端末が送信権を持ちます。 FDDIのデータ長は4500オクテット、最大ネットワーク長は200km、最大ノ ード間距離は2km、最大接続端末は500台です。 光ファイバでなく銅線を使ったトークンリング方式のLANをCDDIと呼びます。 3.はポーリング/セレクティング方式のセレクティング部分に関する 説明です。 4.はポーリング/セレクティング方式のポーリング部分に関する説明 です。 ポーリング/セレクティング方式はインターネットが普及する前に使われ ていて、大型計算機とその端末計算機といった主従関係(マスタとスレー ブ)があるシステム向きです。 ◆◆◆◆◆◆ ┃ あとがき ┃ ◆◆◆◆◆◆ 本日、東京で今年の初雪となりました。 さすがに積雪までは至りませんでしたが、 久しぶりに雪を見ました。 今週の気象ニュースの別トピックとしては、 九州で「副振動」により海の潮位が1メートル 近く上昇し、家屋の浸水被害が出た、という のがありました。 物理現象の共振の一種ですが、いままで このような現象があるとは知りませんでした。 無線LANの干渉問題に通じるところがありますね。 あるテレビ番組では共振によって声でワイン グラスを割る、というのをやっていました。 先日、街を歩いていたら、ある電飾看板の近くで ものすごい耳鳴りがしました。私以外は特に 何も感じていないようでしたが、私が再度 近づくとやはり耳鳴りがしました。これも 共振のせいかもしれません。 ……………………………………………………… ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎ のバックナンバー・配信停止はこちら ⇒ http://archive.mag2.com/0000063498/index.html このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます ━【まぐまぐ!からのお知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |