俳優の仲代達矢さん死去

仲代達矢さん死去、92歳 「影武者」「乱」主演 無名塾を立ち上げ

2025年11月11日 11時42分

 黒澤明監督の映画を始め、舞台やテレビで重厚な演技を見せた俳優の仲代達矢さん(なかだい・たつや、本名・元久=もとひさ)が死去したことが11日、分かった。92歳だった。

 1932年、東京都生まれ。52年、俳優座養成所に入り、55年にイプセン作の「幽霊」で大型新人と評された。映画には翌年、「火の鳥」で本格デビュー。小林正樹監督の約10時間に及ぶ6部作「人間の条件」(59~61年)では、戦争に翻弄(ほんろう)される主人公の半生を演じ切り、注目を集めた。

 60年代には、黒澤明監督の映画でスターの座に登った。三船敏郎の敵役をニヒルに演じた「用心棒」(61年)、決闘場面の血しぶきで有名な「椿三十郎」(62年)、誘拐犯を追いつめる刑事を演じた「天国と地獄」などで強烈な印象を残した。

 80年代にも「影武者」「乱」と2本の黒澤映画に主演。特に「影武者」では、勝新太郎が降板した後の主人公を代役で演じ、カンヌ国際映画祭の最高賞へと導いた。

 舞台は58年の「令嬢ジュリー」や64年の「ハムレット」「東海道四谷怪談」に主演。「オセロ」「リチャード3世」などのシェークスピア劇でも評価された。75年に「どん底」「令嬢ジュリー」に主演。芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞などを受けた。

 その後も舞台の活動は旺盛で、2005年の「ドライビング・ミス・デイジー」では、老婦人(奈良岡朋子)のお抱え運転手を好演。芸術祭大賞などを受賞した。

 75年には妻で女優の宮崎恭子さんと、若い役者の育成を目的とした「無名塾」を立ち上げ、役所広司や益岡徹、若村麻由美らが輩出。宮崎さんが96年に死去した後も、塾生らとの舞台を続けた。

 テレビでも、NHK大河ドラマの「新・平家物語」や「大地の子」などで強い印象を残した。

 ブルーリボン賞主演男優賞、紀伊国屋演劇賞個人賞、13年度朝日賞、文化勲章など受賞・受章多数。

2025-11-11 (火) 12:18:12

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